介護施設の利用者向けに入浴習慣を通じて生活習慣病予防をサポートするヘルスケアアプリ「Onsen* Medical」のiOS版を、デザイン会社のアジケが発表しました。
アジケは、「私たちは、人の生活や感情に寄り添いながら豊かな体験をデザインし、味気ある世の中を創造します」をミッションに、サービスデザインやプロダクト開発事業を展開するデザイン会社です。
Onsen* Medicalは、毎日の入浴習慣を通じて介護施設利用者の生活習慣病予防をサポートするヘルスケアアプリで、温泉療法専門医の早坂信哉氏が監修した心身の悩みに応じた入浴法を、ボイスやタイマー、癒やしの環境音で案内するものです。iOS版が提供され、ダウンロードと利用は無料。Android版は現在開発中とのこと。
アプリを利用すると、「ぐっすり眠りたい」「生活リズムの崩れにより自律神経が乱れている」「リラックスしたい」「女性の悩みを解決したい」など、日常生活の悩み解決を目的とした入浴レシピと呼ばれるコースを実践することができます。
また入浴時間や入浴スコアを確認し、睡眠・運動の活動状況を把握したり、ストレス状態をチェックできる健康増進機能を提供しています。入浴の記録やヘルスケアデータとあわせて、その日の健康状態をメモすることも可能です。
ほかには、肩こりや腰痛など身体疲労に効果があるとされる医薬部外品の薬用入浴剤「Daily Mineral」を別途有料で提供しており、アプリでパッケージのQRコードを読み込むと、香りにあわせたBGMが体験できます。
Onsen* Medical発表の背景には、介護を必要とせず、より多くの人々が生涯現役で活動するために、心疾患や脳卒中など非感染性疾患(NCDs)対策の重要性があります。非感染性疾患が重症化し、要介護状態や寝たきり状態に移行する前に、生活習慣の改善を中心とした健康増進や発病予防が重要です。
入浴には生活習慣病や要介護認定に対するリスク軽減効果があり、2020年に発表された研究では、入浴の頻度と生活習慣病が関係する虚血性心疾患(心筋梗塞、心臓突然死)、脳卒中との関連が示されています。毎日湯船に浸かる人は、湯船に浸かる頻度が週2回以下の人よりも虚血性心疾患発症リスクが35%、脳卒中の発症リスクは26%低下しました。
別の研究では、毎日湯船に浸かって入浴する高齢者は、週2回以下の高齢者と比べて要介護認定のリスクが約3割減少したとされるデータもあるそうです。
アジケはOnsen* Medicalの発表にあたり、「利用者の生活習慣と健康をサポートすることは、介護施設においてより重要になってきています。あくまで主役は利用者。それぞれの日常の中で小さく始め、その延長線上で無理なく続けられるようなソリューションを提供することが不可欠です。また生活習慣病や要介護リスク軽減効果などエビデンスとして利用者がメリットを感じられる活動を提供することも継続につながります」とコメントしています。
Onsen* Medical
https://medical.on-sen.jp
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