日焼け止めを正しく使うことができていますか?
色々な会社から出ている日焼け止めは紫外線から肌を守るため、現代人にとっての必需品ですが、正しい塗り方を知らないとその効果を十分に発揮できません。
それどころか塗り残しや適切でない量の使用は、予想外の日焼けや肌トラブルを引き起こす可能性があります。
こちらの記事では、日焼け止めの基本的な塗り方とポイントに焦点を当て、あなたの美しい肌を長く保つための基本を解説していきます。
今回は、現役の化粧品開発者「みついだいすけ」さんの、アドバイスをいただきながら、適切な量の選び方から塗り直しのタイミングまで、日焼け止めの効果を最大限に引き出すための基本をぜひ確認してください。
監修者プロフィール:みついだいすけ
コスメを科学的に解説する現役化粧品開発者。「メイクや日焼け止めの上手な使い方や遊び方」や「機能を最大限発揮するための理論」を一般の方にもわかりやすく解説しています。肌やコスメに関する悩み事を自身の力で解決できる世の中を目指しています。SNS総フォロワーは12万人以上。
塗り方の基本 日焼け止めの基本的な塗り方とポイント
日焼け止めは基本に忠実な塗り方をすることによってその効果を最大限に発揮します。逆に、中途半端な塗り方をしていると期待した効果が得られなくなるかもしれません。
こちらの章ではどの日焼け止めにも共通する基本のキについて解説していきます。
適量の使用の目安は?
日焼け止めの適量を考えるために、まず一番ガードしなければいけない顔を中心に考えましょう。
クリームタイプでは「パール粒2つ分」、乳液タイプでは「1円玉2枚分」を目安にチューブから出します。この量が顔全体に均等に塗り広げるための適切な量です。
実際にこの量から、テクスチャやその他の成分によって目安を調節してみてください。
ファンデーションを使わない場合、重ね塗りも考慮しましょう。
塗布のポイント
指先や手のひらを使って、日焼け止めを均等に塗り広げます。
この際塗りムラや塗り忘れ箇所ができてしまうと、まだら模様の様になってしまうのでしっかりチェックをしましょう。
また、顔周辺の重要パーツである額・鼻・頬など、紫外線によるダメージが集中する部分には特に注意して塗ります。
顔の場合は両頬・額・鼻・あごに置いてから塗ることもセオリーとされています。
塗布したい箇所周辺にポイントとして日焼け止めを置いてから、人差し指と中指を使って引き延ばします。
また、伸ばす際にシワに対するストレッチをイメージすることも忘れないよう力を入れずにやさしく伸ばすようにしてください。
①鼻・頬・額は日光が当たりやすく焼けやすいため、他の部位より多めに塗ること
②塗り残しよりも、薄塗りがないかに気をつけること
塗り残しのチェック
手が届きにくい部分などは後回しにしがちですが、特にそういったところから丁寧に塗っていくと抜け漏れがなくなります。
衣服の無い部分、特に耳の後ろや首の後ろなど、見落としがちな部分は忘れずにチェックしましょう。
できれば普段から日焼け止めを塗る順番を意識してパターン化しておくと塗り残し防止に役立ちます。
落ちたと思ったら早めの塗り直し
汗をかいたり、水遊びをしたりすると、日焼け止めは落ちやすくなります。
また、処方の剤系によって紫外線防御効果の持続性も変わります。例えばウォータープルーフであれば、その他の物に比べて長持ちするでしょう。
実際は必要に応じての塗り直しをお勧めします。その際はパッケージも参考にしてみてください。
日焼け止めを塗り直す頻度は、時間ではなく、シチュエーションで決めるもの、こすったり、汗をかかなければ塗り直す必要はほぼない!
【塗り直しが必要な場合】
1.汗や水で落ちる
2.何かに触れて落ちる
3.動くことで日焼け止めの膜がヨレる
4.紫外線吸収剤が光分解し効力を失う
使用前のコンディションチェック
日焼け止めによっては、使用前によく振ってご使用くださいなどの注意書きがあるもの。
成分の硬化により出口付近が固まってしまっているものなどがあります。
注意書きと照らし合わせつつ、振る必要がある場合は成分が均等になるようによく振ってからの使用。
出口付近が固まってしまったクリームなどはティッシュで拭ってから使うようにしましょう。
塗るタイミング
多くの日焼け止めは、外出の約30分前に塗るのが理想とされてきました。
これらの時間は、日焼け止めの効果測定が15~30分後を目安に行われ、実施試験を通過しているからだと言われています。
日焼け止めの効果は成分が肌になじむことにより効果を発揮する作りとなっており、現代ではそこまで時間を気にする必要はありません。
日焼け止めは塗ってから30分も時間をおく必要は全くありません!発揮成分が肌に馴染むまで、せいぜい2〜3分。ただし、乾くまでに擦れて落ちないように気をつける必要があります。仮に乾き切っていなかったとしても、日焼け止め効果はほぼ変わらないのです。
敏感肌への配慮
敏感肌の方は肌に合わない成分は避けるようにし、初めて使う日焼け止めは、パッチテストをしてから使用しましょう。
気になる場合はパッケージ面や、製造元ホームページなどで調べてみることもオススメです
これらの基本的な塗り方とポイントを守ることで、日焼け止めの効果を最大限に引き出し、肌を健康に保つことができます。
日焼け止めのNGな塗り方
日焼け止めには特にNGとなる塗り方があるので、こちらでいくつか紹介します。
てのひらで引き延ばさない
てのひらで引き延ばしてから日焼け止めを塗る方法は一見すると合理的に見えます。
しかし、顔などのパーツによる凹凸が多いところへの塗布はこの塗り方が適していません。
なぜなら手のひらではなく、細かく指の腹で引き延ばして塗っていく必要があるからです。また、手のひらにばかり多くのクリームがついてしまい、実際には対象の個所へうまく塗れないといった理由もあります。
特に顔パーツに関してはそれぞれの頂点部分にあらかじめ日焼け止めを小豆大でつけておき、そこから延ばすのが良いとされています。
量を必要以上に減らす
適切な推奨使用料というのは各社のアナウンスやパッケージ裏、または自身の塗布の経験などからある程度予測がつきますが、節約目的で量を少なくしたり、べたつきを気にして量を少なくするのは、効果が十二分に発揮されず本末転倒となります。
逆に紫外線防止効果が含まれたファンデーションとの併用で量を調節するのはOKとされています。
順番を考えない
基本的に化粧水を最初に、ファンデーションを最後に付けるというのが当たり前の順番ですが、日焼け止めはどの位置に属しているのでしょうか?
通常日焼け止めは化粧下地の前、乳液の後と定義されている場合が多いです。
その為化粧水と乳液の処理が終わった段階で日焼け止めに手を伸ばすというルーティンを崩さないように心がけて使用しましょう。
保湿を気にしない
化粧水と乳液で、保湿を保ち日焼け止めを塗るのは一つのセオリーです。
日焼け止めだけで保湿を補えるわけではないので、その点には絶対に注意しましょう。
乳液は内側の化粧水へ向いており、その外に塗る日焼け止めは外のUVカットが主な目的となっています。
効能、目的が全く別となりますので、それぞれの役割には純分に注意しましょう。
お肌を労わりながら、日焼け止めの効果を十分に引き出す
日焼け止めに限らず、肌に関わる製品は、周辺の機能を含んでいるオールインワンの物から単体機能の物まで様々ありますが、全てに言えることは、適切な使用環境が整っていなければ効果を発揮することができないということです。
塗り順、実際の塗布量、時間による劣化など、様々な項目を考えて適切に使用する必要があります。
単純にパッケージ的な効能に頼るだけではなく今一度基本的な塗り方ができているか、効果を正しく扱えているかを確認して、最大限の効果を発揮してあげることが、お肌への最大の労いとなるでしょう。
毎日強い日焼け止めを塗り続けるのではなく、たまに低いSPFの日焼け止め(SPF30、PA++以下)を使って、肌の負担を和らげてあげましょう。
【低SPF/PAの日焼け止めでもいいシチュエーション】
①どんよりした曇りの日
②汗をかかない日
③運動しない日
④ほぼ室内にいる日
⑤真冬
天気によって、降り注ぐ紫外線量は変わってきますので、お肌を労わりながら、日焼け止めをシーンによって使い分けられる方は、日焼け止め上級者です。
気温と紫外線量は相違しないので、これから冬の紫外線対策もしっかりしていきましょう。
季節を問わず適切な紫外線対策を徹底することで、将来のシミやシワなどの光老化を防ぐことができますよ。
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