アシストスーツ事業を手掛けるユーピーアールは、医療・介護現場向けのサポートジャケットに介助用のフロントカバーを組み合わせたアシストスーツ「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」を発売しました。
ユーピーアールは、物流機器や輸送機器の販売・レンタルをはじめ、アシストスーツや物流ICTに関するサービスを提供している企業。創業時の物流用パレット販売・レンタル事業にはじまり、以来44年にわたって現場のニーズに応じた様々なソリューションを提供しており、そうした中で生まれた商品の1つが「サポートジャケットBb+FIT」です。
このサポートジャケットBb+FITは、作業者の腰などにかかる身体的負担を軽減する目的で開発された商品であり、2014年にシリーズの販売が開始され、これまでに2万着以上を販売。その優れた機能性が評価され、医療や介護の現場はもちろん、物流や製造業、建設、倉庫、農業など幅広い業界で活用されています。
特に病院や介護施設では、人の動きを補助する場面が多いため、安全が何より重要。この介助時に発生する腰の負担を軽減するためのツールとして活用されており、移乗介助や歩行介助といった動作を行う際に介助者をサポート。同社の実験では、脊柱起立筋の筋活動が平均で約31%軽減されるという結果が出ているそうです。
ただし、物流や倉庫などのモノを扱う業務とは異なり、人と人が接する現場であるからこその課題も。従来のサポートジャケットBb+FITのみを使用しているケースだと、「アシストスーツの胸部パーツが被介助者に当たってしまう」、「介助中に胸部や腹部が被介助者に接触してしまう」といった声が寄せられており、そうした点に関する改善のリクエストも多く寄せられていたとのこと。
さらに、医療や介護現場に限らず「アシストスーツ着用時に胸部や腹部が目立ってしまう」という点も指摘されていました。こうした課題を解消するために、同社は試作やユーザーへのヒアリングを重ね、介助者・被介助者両方のストレスを軽減できるソリューションとしてこのサポートジャケットBb+FIT ケアタイプ(以下、ケアタイプ)を開発しました。
ケアタイプでは、体の前面がカバーで覆われているため、被介助者の顔や頭にアシストスーツの部品が当たってしまうというリスクを回避できます。また、胸部の生地は厚手のものを採用し、接触時の負担も軽減。さらに、着用時に起きていた胸部や腹部の目立ちも前面カバーで改善。こうした追加機能でより快適な介助が実現できるよう工夫されています。
現在、国内における医療・介護福祉業界の人手不足は喫緊の課題です。特に介護業界は深刻で、2040年には現在に加え約50万人の介護職員を確保する必要があるという推計もあります。そして、職員確保のためには働き手の負担軽減が必須。そうした意味でも、このようなソリューションが今後重要になってくるといえるでしょう。
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