日焼けのデメリットは何となくわかっているけど、では全く日に当たらずに生活をすればいいのか?
このような疑問が浮かんだことはありませんか?
実は日焼けには肌への悪い面と、体と精神両面での健康をつかさどっている側面があります。
この記事では日焼けによって体に何が起こるのか、そしてそれが健康や美容にどう影響するのかを解説します。
メリット・デメリットを理解し過度に日焼けを恐れたり、反対に浴びすぎないようにする為にも、ぜひ理解を深めていきましょう。
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女性が気を付けるべき日焼けのデメリットとは何か
日焼けとは、紫外線(UV)によって皮膚がダメージを受ける現象です。
特に夏季に多くの人が気にするこの問題は、美容だけでなく健康にも大きな影響を与え、大きく2つのデメリットをもたらします。
シミ(色素沈着)
日焼けは、紫外線が皮膚に当たることでメラニン色素が生成され、皮膚が黒くなることと一般的に認識されています。
このメラニン色素の生成自体は必要な措置ですが、それが行き過ぎると『シミ(色素沈着)』となります。
色素沈着が皮膚に起こると、そのシミは基本的に自然に解消される状態ではなくなり、定着してしまうため通年で肌悩みの1つとなってきます。
シミは周りの皮膚とは明らかに色が異なる為それだけでも肌が汚く見えてしまい、気になる人は化粧下地などによって隠すなど対策も必須で、このシミを作るのを避ける為に特に日差しの強い夏場に向けて日焼けに対する関心が高まるのです。
そしてこのシミは、メラニン色素が皮膚の一部に過剰に蓄積した状態を指します。この色素沈着は、紫外線の影響、加齢、ホルモンバランスの乱れ、炎症後の残留などさまざまな要因によって引き起こされます。
色素沈着は角質層より下の肌の深い部分で起こっている為、基本的に1回シミとなった部位の色をきれいにしていくことが通常では困難なのです。
メラニン色素の生成からシミになるまではいくつかのパターンがありますので、代表的なものを記載します。
- 紫外線の影響: 紫外線が皮膚に当たると、メラノサイトがメラニン色素を生成します。この過程で、メラニン色素が過剰に生成されると、シミやそばかすが形成される可能性があります。
- ホルモンバランス: 特に女性ホルモンが関与する場合、メラニン色素の生成が促され、シミができやすくなります。これは、妊娠中や更年期、ホルモン補充療法などでよく見られます。
- 炎症後の色素沈着: 皮膚が何らかの炎症(ニキビ、かぶれなど)を起こした後、治癒過程でメラニン色素が過剰に生成されることがあります。このような場合も、シミが形成される可能性があります。
- 加齢: 加齢によってメラノサイトの働きが不均一になると、メラニン色素が局所的に蓄積し、年齢に関連したシミ(老人性色素斑)ができることがあります
もし、この中で思い当たるもの、注意したいものがある場合は、それぞれの対処に対してさらに調べてみるのもおすすめです。
シワ
また、日焼けによるメラニン生成とは別に、コラーゲンの破壊という現象も起こります。
紫外線のUV-A波は、肌の深い部分まで届き肌のハリと弾力を保っているコラーゲンへと到達します。
コラーゲンは加齢による皮膚の合成力の低下と、長年の紫外線による作用で徐々に破壊されていくと考えられており、コラーゲンの肌への働きが弱くなることで結果的に肌のたるみやシワとして皮膚表面に現れるのです。
この現象は肌の光老化と言われることもあります。
この様に日焼けはシミとシワ両方を引き起こす可能性がある為、美肌の大敵として恐れられています。
日焼けのメリット
日焼けについて知る為に、日焼けのメリットについても考えてみましょう。
もし、日焼けがデメリットしかない存在であれば、単純に日下を歩かなければ済む話ですが日焼けにも健康に関係する効果がしっかりとありますので、確認していきましょう。
ビタミンDの生成
ビタミンDは食物によって接種ができますが、実は1日に必要なビタミンDの約2/3は日光(紫外線)の刺激による生成です。これは日光の役割が大変大きいことを示しています。
日光によるビタミンDの生成は夏場で15~30分程度必要とされ、通常推奨されるような1日のウォーキング時間に近いことが報告されています。
ビタミンDの効能として代表的なのは、カルシウムとリンの吸収を助けることで、これは人体に必要不可欠な部分である骨を丈夫にする役割があります。
反対にビタミンDが不足するとこれらの働きが弱まってしまうため軟骨化などの症状がみられるようになります。
また、血中のカルシウム濃度を調節する役割があり、この調節をすることによって体の神経伝達機能を正常に保つ役割があると考えられています。
さらに、ビタミンD濃度がある程度高く維持されていると、ガンの罹患リスクが低くなる研究もあり、体の中でも重要な役割を担っていると言われています。
精神面での効果
日光浴によって私たちの体の中には「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。
このセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心の平穏や安心感、思考のクリアさを高めるなど、脳の活動を促進する重要な物質です。特にストレスに対する効果があり、体内で自然に作られるこの物質は、精神安定剤に似た構造を持っています。
反対にセロトニンが不足すると、慢性的なストレス、疲れ、イライラ、意欲の低下などが起こり得ます。日照時間が少なくなると、セロトニンの生成も減少する可能性があります。
セロトニン生成を目的とした日光浴は起床直後の30分程度がいいとされており、起床直後の日光浴は体内リズムと睡眠サイクルの正常化にも効果があります。
まずは、朝起きた直後に寝室のカーテンを開けてみることからチャレンジしてみましょう。
日光を極端に避けることはやめる
日焼けは美肌に対しては点滴ですが、かといって体内のビタミンDを補えないと根本的な健康を損なう恐れがあります。
我々は元々の体のつくりや生活様式から、完全に日光をシャットアウトすることは不可能と言えるので、時間や日差しの強さ、日焼け止めの活用などをうまく組み合わせて、健康的な生活をすることを心がけましょう。
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